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チャペルオルガニストという仕事

「チャペルオルガニスト」という職業が、世間的に良く知られていない、と最近よく思います。読んで字の通り、「チャペル挙式」で「オルガン」を演奏する仕事なのですが、この「オルガン」という言葉が曲者。オルガンというカテゴリーに入る楽器は、「パイプオルガン「電子オルガン」「(ただの)オルガン」です。パイプオルガンというのは、鍵盤を押すことによって写真のようなでかいパイプに風を送り、それで音を鳴らす構造のオルガンで、本物のパイプオルガンがあるチャペルなんてあまり聞いたことがありません。今あるチャペルのオルガンは、だいたいお飾りでパイプをつけてありますが、音そのものは電子音で、パイプが無くても鳴ります。電子音なら、エレクトーンなどの電子オルガンと一緒じゃないの?と言われそうですが、エレクトーンと電子パイプオルガンでは形状が異なります。まず、パイプオルガンは上下の鍵盤が左右同じ数のことが多く、しかも鍵盤は重いです。それからベースすなわち足鍵盤の並び方が、エレクトーンとはやや角度が異なり、また重さも格別です。だから電子オルガンを引いている人にとって、今すぐに弾ける楽器ではありません。またエレクトーンのように、音に残響効果をかける機能がないので、足鍵盤は足を話すと「ブチっ」と切れます。綺麗に演奏しようとすると、しっかりと楽譜に忠実に足で鍵盤を押さえ続けなければなりません。最近はチャペルに、そんな難しい「電子パイプオルガン」だけでなく「電子オルガン」が入っていることも多くなりました。これだと、メーカーによりますが、エレクトーンそのものだったりするわけで、経験者はすぐに演奏ができます。最後の「(ただの)オルガン」は、おばあちゃんの時代に幼稚園などにあったもので、右足をふかふか踏み込んで音を出すような代物で、最近は滅多に見かけません。
楽器の区別はこれでできましたが、あとは挙式で何を演奏するの?ということです。1つの挙式は約20分。その中でお客様のご入場から新郎新婦入場、賛美歌の伴奏や指輪交換シーンなど約7曲を演奏します。どの曲も1分程度の短いもので、楽な仕事と思われるかもしれませんが、実はなかなか大変な仕事です。その時その時の新郎新婦の動きに合わせて長さや音の大きさ、テンポを臨機応変に変えて演奏します。歩く速度も、牧師さんの声の大きさも、キスの長さも、全て臨機応変に対応してゆくのですから、楽譜にすがりついて弾くだけで必死の状態では仕事になりません。目はいつでも新郎新婦の動きを追いながらの演奏です。もちろん曲に応じて音色を変えるために、曲と曲の間に楽器を操って、設定を変えなければなりません。というわけで、最初から最後まで全く気の抜けない大変な仕事なのです。ただ楽器が弾けるだけでは無く、細かな気遣いのできることが求められます。
そんな大変な仕事ですが、やはり結婚式は人生最大の幸せの場。そこに立ち会える喜びはひとしおです。あくまで主役は新郎新婦ですから、コンサートのように自分が脚光を浴びることはありませんが、人の幸せに貢献し、喜んでいただけるように力を尽くす、そんなことをやってみたいな、と思う人にとっては最適な仕事です。
そんなこんなを理解した上で、たくさんのチャペルオルガニストが活躍してゆかれることを願います。

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  • パイプオルガン
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